刑務所内カンテ・コンクールの優勝者、アントニオ・アグヘータとホセ・セラーノ。
これは大変珍しい、驚きのアルバム!アンダルシアのコルドバ刑務所では2年に一度、スペイン国内のすべての刑務所の囚人によるカンテ・コンクールが行なわれるという(現在も行なわれているかどうかは不明)。本作に登場するマヌエル・アグヘータの息子アントニオ・アグヘータは93年の優勝者で、もう1人のホセ・セラーノは91年と95年の優勝者。本作はその優勝を契機に97年グラナダで録音されたもの(アンダルシアの隠れた才能を発掘するBIGBANGレーベル)。「自由への2人の叫び(刑務所の中のカンテ)」と言うタイトルが付いている。2人が入所前からカンテのプロだったかどうかは分からないが、堂々たるプロのカンテだ。父マヌエル、そしてドローレスをも彷彿とさせる、アントニオの腸をえぐる様な歌い口に、ホセ・セラーノの影が薄くなりがちだが、よく聴けばホセもカマロンの影響はあるものの相当の実力だ。ちなみにアントニオは懲役12年、ホセは懲役18年だった。ギター伴奏はラファエル・トレネス、ミゲル・オチャンド。全10曲。
Jose Serrano:Buleri'as/Solea'/Alegri'as/Taranto/Tangos
Antonio "El Agujetas":Siguiriyas/Buleri'as/Malaguen~as/Solea'
Jose' Serrano y Antonio "El Agujetas":Fandangos